
とのことであった。 冒頭にイギリスのボランタリー・セクターが極めて複雑なネットワークを形成していることを指摘したが、NCVOはまさにそうしたイギリス社会の状況をよく示す団体の一つであると思われる、今回の調査では、NCVOのほかに、ロンドン地域のボランタリー・セクターのアンブレラ組織であるロンドン・ボランタリー・サービス協議会(LVSC:London Voluntary Service Council)、およびロンドン・バラの1つであるカムデンの地域アンブレラ組織であるカムデン・ボランタリー・アクション(VAC:Voluntary Action Camden)を訪ねた一前者の団体には、そのメンバーとして139の団体が加盟しており、その1つにVACも含まれている14)。後者の団体には、コミュニティ協議会やシティズン・アドポカシー、人権擁護団体のような地域の団体が144団体加盟している15)。これらのアンブレラ団体は、そのメンバーである団体からの推薦によって理事を選出し、理事会が運営されている。このようなボランタリー・セクターのネットワークが複雑に構成され、それがイギリスのボランタリー・セクターの特徴の1つであると考えられる。 (2) グロスターシャにおける補助政策 グロスターシャはイングランド南西部に位置し、ウェールズとの境界に接しており、人口約50万人、面積2643平方キロ、ディストリクトの数は6という比較的小規模なカウンティである。周知のように、イギリスは分離型の地方自治制度を原則として採用しているため、カウンティとディストリクトとの役割分担は明確である。グロスター・カウンティの行っている活動をその委員会別に支出額を示すと次のようになる。 
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